Unreal Engine 4 (4.27.2) を VMware Workstation で動かしている Ubuntu 20.04 環境で動かしてみたので、その記録です。起動しただけでパフォーマンス的に実用できるレベルではありませんでしたので、お遊びです。
基本的な手順は公式ページに書かれている Linux に向けたドキュメントを参照するとよいです。
環境設定
Ubuntu の環境には、メモリは8GB 程度、ディスクは UE4 用に 100GB 以上のサイズで割り当てを行っています。1ディスク構成にするならば、 256GB 程度の仮想 HDD が必要なのではないかと思います。
Unreal Engine4 のソースコードを GitHub から取得します。これを Ubuntu の環境にコピーしておきます。もちろん、Ubuntu の環境から取得しても問題ありません。
ビルド
端末を開いて、コマンドを実行します。
$ unzip UnrealEngine-4.27.2-release.zip
$ cd UnrealEngine-4.27.2-release
$ ./Setup.sh
この作業でビルドに必要な追加のパッケージ取得・インストールなどが行われるため、必要に応じてパスワードを入力したり、関連付け許可したりなどします。続いてファイルの生成を行います。
$ ./GenerateProjectFiles.sh
この後ようやくエンジンのビルドとなります。これには単に make コマンドを実行します。
$ make
仮想環境ということもあり、この作業には数時間がかかりました。
仮想環境で起動できるようにする
Unreal Engine が Vulkan API を使うため、このままでは起動に失敗します。
そこで最新の Mesa 3D をインストールして、ソフトウェア(CPU)エミュレートの Vulkan が使えるように環境を作ります。
$ sudo add-apt-repository ppa:kisak/kisak-mesa
$ sudo apt dist-upgrade
もし、 Vulkan の状態が気になるようであれば、追加で apt install vulkan-tools でツールをインストールして、”vulkaninfo” で確認してみるのもよいでしょう。
一通りインストールが完了したら、Ubuntu 仮想マシンを再起動しておきます。
実行する
UnrealEngine をビルドしたフォルダで、以下のコマンドを実行して Unreal Engine 4 を起動します。
$ cd Engine/Binaries/Linux
$ ./UE4Editor
これには結構時間がかかりますが、根気よく待っていると見慣れた UE4 の画面が表示されます。お試しにプロジェクトを作り、開いた時の様子が以下の通りです。シェーダーのコンパイルにも長時間かかるので、なかなか重い状態となっています。
現時点では、Linux 環境の UE4 では Linux 用のビルドのみ対応のようなので、出番は少ないかと思います。クロスコンパイルができるようになると、夢が広がりそうです。